インクの領域が紡ぐ穏やかな住まい

ミニマリズムが生み出す、木の温もりと石の静謐

この住宅は、複雑な色使いを避け、木の安定感と石の模様の静けさで満たされています。自然光が広く流れることで、暖かくエレガントな生活環境を創出。セミオープンのレイアウトは、自然光を室内に招き入れると同時に、ダイニングルームとプライベートスペースへのプライバシーを確保しています。

ダイニングルームは家の中心であり、異なる空間を繋ぎ、家族の絆を深める役割を果たします。イタリア製のクォーツタイル、鉄部、天然無垢材の突板、モデリングパネル、オーダーメイドの木製フロア、壁紙、システムキャビネットなど、厳選された素材がこの住宅の質感を高めています。

166平方メートルの空間には、玄関、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、ベッドルーム2室、セミオープンの書斎、バスルーム2室が配置されています。シンプルながらも、住む人の心を解きほぐすような落ち着いた雰囲気が、玄関の扉を開けた瞬間から感じられます。

リビングルームへと進むと、床材が変わり、靴箱と同じ色で塗られたメインウォールが、テクスチャーの強さを増して現れます。ソファの背後の壁には、視覚的に空間を拡張し、リビングルームとダイニングルームを繋ぐ、透けるオープンディスプレイシェルフが組み込まれています。

ダイニングルームへと続くキャビネットは、収納とディスプレイの機能を統合し、大きなボリュームによる単調さを排除し、すっきりとした外観を実現しています。リビングルームとは異なり、落ち着いた照明のダイニングルームと書斎は、静謐な美を放ちます。

このプロジェクトは、2022年8月に新北市で完成しました。A'デザインアワードのインテリアスペース、リテールおよび展示デザイン賞でアイアン賞を受賞し、その実用性と革新性が高く評価されています。